【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「す、すごい…」

アレンジされた髪型はワンサイドポニーテールだった。

鏡の前に映っている自分は、安里と同じお嬢様のように見えた。

ただし安里の方が身長的には少し高めで、体型も彼女の方がグラマラスである。

「今回呼ばれた誕生日パーティーは主に金持ちが集まっているらしいの。

あなたはK大の経済学部に通っている学生で、すでに銀行への就職が決まっていると言う設定ね。

父親の職業は何だと聞かれたら、弁護士だと答えなさい」

そう言って設定を並べてきた安里に、
「あ、はい…」

小夜子は首を縦に振ってうなずいた。

やはり、パーティー会場に自分みたいな庶民生まれの庶民育ちがいると言うのは無理過ぎる話なのだろう。

「はい、これがバックね」

そう言ってバックを渡してきた安里に、
「あ、ありがとうございます…」

小夜子は戸惑いながら、彼女の手からバックを受け取った。
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