【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
小夜子は何が起こったのかよくわからなくて、その場で見ていることしかできなかった。

安里は床のうえに顔を伏せて、ワーッと大きな声で泣いた。

「“私のため”って何よ!?

カラオケに行きたかった!

クレープもパンケーキも食べたかった!

100円ショップで買った子供向けのメイクセットじゃなくて、ちゃんとしたメイクセットが欲しかった!」

安里は泣きながら叫んだ。

「どうして私には友達がいないの!?

どうして無視されなきゃいけないの!?

何で仲間外れにされなきゃいけないの!?

つまらないって、何が!?

私だって…私だって、みんなと同じように遊びたかっただけなのにー!」

終わる気配のない様子に、小夜子は足音を立てずにコッソリと安里の前から立ち去った。
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