【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
パタン…とドアを閉めると、
「あっ、どうしよう…。

着替えとカバンは家の中だ…」

小夜子はそれらが今出てきた家の中にあることを思い出した。

だけど、先ほどのこともあるので中に入りたくない。

「どうしよう…」

この格好のままで家に帰ると言う訳にはいかない。

ホテルに泊まろうと思ってバックから財布を取り出したが、給料日前で持ちあわせがそんなにもなかった。

「困ったな…」

こうなったら、事情を説明して澄香かマキヨの家に泊めてもらうしか他がない。

そう思って小夜子がバックからスマートフォンを取り出そうとしたら、
「出て行ってよ!」

悲鳴のような声が廊下に響いたのと同時に、隣のドアが荒々しく開いた。

そこから出てきたのは、ワンレンボブの女性だった。

(あれ…この人、どこかで見たような気がする…?)

小夜子は彼女の顔を観察するようにじっと見つめた。
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