【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
その時、由紀恵が小夜子の前に駆け寄ってきたかと思ったら腕をすばやくつかんで放り込むように家の中へと入れた。

「おっ、わっ…!?」

自分の身に何が起こったのか、全くと言っていいほどにわからなかった。

「もう2度と私の前に現れないでちょうだい!

この裏切り者!

あんたなんか友達でも何でもないわ!」

由紀恵はドアの外に向かって叫ぶと、バタンと荒々しくドアを閉めた。

小夜子はその様子を呆然と見ていた。

「え、えっと…」

何から話せばいいのかと困っていたら、
「仕事、終わったんですか?」

由紀恵が聞いてきたので、
「はい…」

小夜子は首を縦に振ってうなずいた。

「その…依頼者の金子さんが隣に住んでいて、ドレスとバックを貸してもらってパーティーにも出てきたんですけれども…」

小夜子は先ほどまでの出来事を由紀恵に話した。
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