【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
由紀恵が隣に住んでいて助かったと小夜子は心の底から思った。

「あの…こう聞くのは失礼だと思いますけど、社長は社長で一体何があったんですか?」

小夜子は顔をあげると、由紀恵に聞いた。

「…私の中学時代の話を、知っているわよね?」

そう聞き返してきた由紀恵に、
「はい、ご存知です」

小夜子は首を縦に振ってうなずいた。

「さっき言い争っていた彼女は米村高子って言って、私が転校する前…って言っても、いじめられるまで親しくしていた子だったんです」

「ああ…」

小夜子は幸代から“赤ちゃんの時から仲良くしていた子”がいたことを思い出した。

「その彼女が前の学校の同窓会のお知らせを送ってきたうえに、謝りたいって言って家に押しかけてきたんです。

そのうえ厄介なことに、興信所で住所を調べたらしくて」

由紀恵はやれやれと息を吐きながら迷惑そうに言った。
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