【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「それで、“出て行ってよ!”なんですね…」

呟くように言った小夜子に、
「そうですね」

由紀恵は首を縦に振ってうなずいた。

「あの…話を聞いてあげなくてもいいんですか?」

小夜子がそう聞いたので、
「何がですか?」

由紀恵は聞き返した。

「わざわざ住所を調べて、社長に謝るためにここまできたのに…」

そう言った小夜子に、
「光浦さん、今回ばかりは許すことはできないです」

由紀恵がさえぎるように言った。

「米村は真っ先に私を裏切って、浜島側についた人間です」

「だけど、裏切ったのには何か理由があるんじゃないかと思うんです。

綾美ちゃんとみち子ちゃんの話じゃないですけど、浜島に脅されたとか…」

そう言った小夜子に、由紀恵は否定をするように首を横に振った。
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