【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
バスルームは思った以上に広くて、小夜子は驚いた。

「どうしよう、使いづらいかも…」

由紀恵からメイク落としを貸してもらい、ササッとメイクを落とすと躰を軽く洗った。

濡れた躰をタオルで拭きながらバスルームを出ると、脱衣所にスウェットが用意されていた。

それを身につけて由紀恵がいるリビングに顔を出した。

由紀恵はソファーに座ってビジネス本を読んでいた。

「あの…バスルームと着替え、ありがとうございました」

小夜子が呟くように声をかけてお礼を言うと、由紀恵は本から顔をあげた。

「スウェットのサイズがあったみたいでよかったですね」

ホッとしたように言った由紀恵に、
「あ、はい…」

小夜子は首を縦に振ってうなずいた。

「えっと、お先に休ませていただきます…」

「はい、おやすみなさい」

小夜子は由紀恵にあいさつをすると、彼女が用意してくれたゲストルームへと足を向かわせた。
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