【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～
ゲストルームは８畳ほどの広さで、そこにベッドとソファーとテーブルが置かれていた。

「すごいな…」

小夜子はベッドに腰を下ろすと、バックからスマートフォンを取り出した。

両親に仕事の都合で友人の家に泊まるとメールを送ると、スマートフォンの電源を切ってバックに入れた。

「あーっ、疲れた…」

ベッドのうえで大の字になって寝転がると、パリッとしたシーツの感触が肌をさわった。

その感触を確かめながら、小夜子は安里のことを思った。

「金子さん、落ち着いたかな…？」

手当たり次第に物を投げつけて、ヒステリックに泣き叫んでいた安里の姿を思い出すと小夜子は胸がチクリと痛んだのがわかった。

「一体、何があったって言うんだろう…？」

朝になったら落ち着いていることだろう。

ドレスとバックを返すついでに理由を聞いてみようと、小夜子は思った。

それよりも問題は、由紀恵と米村高子の方である。
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