【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
今は高子を追い出すことが先だと思いながら、由紀恵は小夜子を自分の家の中に放り込んだ。

「おっ、わっ…!?」

小夜子の戸惑った声が聞こえたが、由紀恵は気づかないふりをした。

ボロボロの顔で自分を見ている高子に向かって、
「もう2度と私の前に現れないでちょうだい!

この裏切り者!

あんたなんか友達でも何でもないわ!」

由紀恵は叫ぶと、ドアを閉めた。

バタン!

荒々しくドアを閉めた音が部屋に響いた。

「え、えっと…」

小夜子の戸惑いながら話をしようとしたので、由紀恵は彼女の方に視線を向けた。

「仕事、終わったんですか?」

そう聞いてきた由紀恵に、
「はい…」

小夜子は小さな声で呟くように、首を縦に振ってうなずいた。
< 326 / 405 >

この作品をシェア

pagetop