【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～
翌朝になれば、金子安里も落ち着いていることだろう。

由紀恵は自分の家に泊まるようにと小夜子に勧めた。

それに対して、小夜子は自分に向かって頭を下げてお礼を言った。

「あの…こう聞くのは失礼だと思いますけど、社長は社長で一体何があったんですか？」

小夜子が顔をあげると、そう聞いてきた。

その質問に対して答えるのをやめようかと由紀恵は思ったが、小夜子がそれに対して大人しく引き下がってくれるとは思えなかった。

由紀恵は仕方なく口を開くと、
「…私の中学時代の話を、知っているわよね？」
と、小夜子に聞いた。

「はい、ご存知です」

小夜子は首を縦に振ってうなずいて答えた。

由紀恵が事情を説明すると、
「あの…話を聞いてあげなくてもいいんですか？」

小夜子が言いにくそうに、そう言ってきた。

（やっぱりね…）

それに対して、由紀恵は心の中で呟いた。
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