【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

何か呼び出されるような心当たりは特にないはずだ。

そう思いながら小夜子は幸代と一緒に由紀恵が待っていると言う会議室へと足を向かわせた。

幸代がコンコンと目の前のドアをたたいたら、
「どうぞ」

中から由紀恵の声がした。

「光浦さんをお連れしました」

幸代がそう言って、会議室のドアを開けた。

小夜子が中に足を踏み入れると、由紀恵と黒髪ボブの少女――綾美が向かいあって座っていた。

綾美と目があった小夜子は彼女に会釈をすると、綾美は返してくれた。

「どうぞ、座って」

由紀恵に自分の隣に座るように促されたので、
「失礼します」

小夜子は声をかけると、彼女の隣に腰を下ろした。

「では、私はこれで」

幸代はそう言って会議室を後にした。