【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

「親の異常過ぎる過保護ぶりのせいで、私には友達がいなかったわ。

そのせいでクラス――ううん、学年中からいじめられてた。

無視と仲間外れ、さすがに暴力はなかったわ」

そう話をする安里を小夜子は見つめていた。

「親の異常過ぎる過保護が嫌で、いじめられるこの環境も嫌だったから大学は県外を選んで家を出たわ。

それからは好きなこと三昧よ。

自分好みの服や下着を全て買って、髪も染めてパーマをかけて、耳にピアスを空けたの」

安里はそう言って、耳につけている小ぶりなピアスを見せた。

「子供の頃は食べることができなかった駄菓子やマクドナルドのハンバーガーを食べたわ。

初めて食べたハンバーガーの味を、今でも忘れられないわ。

あの女が作るバカみたいにこだわった手作り料理よりもずーっと美味しいって思った。

今の今まで何を食べさせられていたんだろう、って」

安里はバカにするように言って笑った。