【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「初めてのバイトはキャバクラで、そこでパパに出会ったの」

「パパ…?」

呟くようにそう聞いた小夜子に、
「津田さんって言う人で、お医者さんをやっているの。

パパはとても優しくて、私が欲しいと言えば服やアクセサリーはもちろんのこと、お菓子も全部買ってくれるの。

この部屋だってパパが買ってくれたし、おこづかいも少ないけれどくるたびにいつもくれるの。

奥さんと子供がいるけれど、とても素敵な人よ」

安里は得意げに答えた。

「そ、それって…」

「世間では“不倫”なんて言うのかもね。

まあ、私はそう思わないけれど。

パパは何でも買ってくれるんだもん」

安里はそう言って、小夜子が身に着けていたドレスとバックを手に取った。

「このドレスもこのバックも、私がパパに欲しいって言ったから買ってくれたのよ」

そう言っている安里の顔には罪悪感がなかった。

むしろ、それのどこが悪いんだと言っているような気さえもした。
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