【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
そこから取り出したのは、1枚の封筒だった。

「ここに、安里に宛てた手紙が入っています。

上京した先の住所がわからなかったので、手紙を送ることができなかったんです。

もし娘に出会うことがありましたら、これを渡してください」

金子は小夜子の前に封筒を差し出した。

「私たちは、安里に対して本当に申し訳ないことをしたと思っています。

捨てられても構いません。

読んでくれなくても構いません。

とにかく、安里に渡してやってください」

泣きながら言う金子に、
「はい、わかりました」

小夜子は封筒を受け取った。

「ちゃんと、安里さんに渡します」

そう言った小夜子に、
「ありがとうございます…」

金子は泣きながらお礼を言った。
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