【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

先ほどコンビニで買ってきたミートソースパスタを食べながら、安里は手紙を読んでいた。

昨日、小夜子から受け取った父親からの手紙だ。

「――申し訳ない、か…」

安里は息を吐くと、コンビニの袋に手紙を入れた。

食べ終えたミートソースパスタの器とプラスチックのフォークもそこに入れると、袋の先を縛ってゴミ箱に捨てた。

テーブルのうえに置いていたスマートフォンに手を伸ばすと、画面がチカチカと点滅していた。

「パパからだ」

津田からの着信を安里は指でタップして表示させた。

『今夜会いに行くよ

２２時にそっちに行くから』

画面の右上に表示されている時計を見ると、夜の８時だった。

「大変、早く準備をしなくっちゃ！」

いつものように散らかっている部屋の片づけを安里は始めた。

（やっぱり、今が１番幸せだわ）

先ほど読んだ父親からの手紙の内容はもうすっかり忘れてしまっていた。