【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
約束の11時に待ちあわせ場所であるS駅に向かうと、そこに綾美の姿があった。

「綾美ちゃん、お待たせー」

小夜子が声をかけると、
「おはようございます」

綾美はペコリと小さく頭を下げた。

「もう堅苦しいなあ。

わたしたちは“友達”なんだから敬語なんて使わなくていいよ」

小夜子は苦笑いをしながら綾美に言った。

「あっ、そうです…そうだね、その方がいいで…」

綾美は首を横に振ると、
「その方がいいね」
と、言った。

「今から遊ぶ訳だけど、何して遊ぶ?」

そう聞いた小夜子に、
「その前にご飯を食べていい?

寝坊したから、朝ご飯を食べ損なっちゃって」

綾美は苦笑いをしながら答えた。

「うん、いいよ。

もうそろそろお昼だし、どこかでご飯を食べながら考えようか」

小夜子は首を縦に振ってうなずいた。
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