【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「当時、浜島のお母さんはPTAの会長を務めていたの。

だから自分よりも目立っていて、周りからちやほやされている由紀恵ちゃんを許せなかった」

「そ、そんな理由で社長をいじめたんですか!?

自分よりも目立っていたから許せなかったって、身勝手にも程があるじゃないですか!」

あまりにも自分勝手な理由に、小夜子は声をあげた。

「最初は無視や陰口、テストでいい点がとれたのはカンニングをしたからだとか絵のコンクールで大賞がとれたのは美術の先生が手伝ったからって、とにかく由紀恵ちゃんの評判を落とすことばかりの悪口を言われたって」

「ひどい…」

「それがエスカレートして上履きを隠されたり、教科書に口では言えない汚い言葉を書かれたり、由紀恵ちゃんのことをばい菌呼ばわりしたり、トイレの個室に入ったら上から水を落とされたり」

幸代の口から明かされる由紀恵いじめの事実に、小夜子は両手で口をおおった。

「それまで由紀恵ちゃんの周りにいた子たちは全員離れて、浜島側に行ったわ。

小学生の時から仲がよかった友達も浜島側について、彼女と一緒になって由紀恵ちゃんをいじめたって」

「最低じゃないですか、それ!」

小夜子は我慢ができなくて、周りに人がいるにも関わらず声を荒げて叫んだ。
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