【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「結構最近にできたんですね」

小夜子は言った。

「光浦さんも聞いた通り、2年前に『ハッピーライフ』は今のビルに活動拠点を移したの。

それから3ヶ月経った時に電話があったのかな?

私が社長の代わりに電話を取ったら、“浜島です、社長はお見えでしょうか?”って」

どうやら最初に浜島からの電話に応対したのは澄香だったようだ。

「そのとたん、いつも冷静な社長が急に取り乱して“早く切って!”って叫んだの。

あの冷静な社長が取り乱したところを初めて見たから、怖くてすぐに電話を切ったわ」

その当時を思い出したのか、澄香はブルッと身震いをした。

「わたしもビックリしました…」

小夜子も呟くように言い返した。

「“私をいじめたヤツの顔なんか絶対に見たくない!、私は絶対にあいつを許さない!”って、周りにいた社員が怯えるくらいに社長は叫んで取り乱してた。

最終的には取り乱した社長を三松さんが慰めてた」

澄香はそこで話を区切ると、お冷やを口に含んだ。
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