【新】レンタルフレンド～お友達をお貸しします～

澄香がテーブルのうえをたたいたせいで店員や食事をしていた客からの注目が集中してしまったが、彼女はそのことを気にしていないようだった。

「あいつ、絶対に中学時代のことを脅して社長から金を巻きあげようと企んでるよ！」

大きな声で叫ぶように怒鳴った澄香に、
「えっ、そうなんですか？」

小夜子は驚いて聞き返した。

「そうに決まってるわよ！

第一さ、社長が自分よりも目立ってたことが気に入らなくていじめたって一体どう言う神経をしているの！？

高校大学ましてや社会に出れば、目立ってる人なんてたくさんいるのにさ！」

「か、川越さん、落ち着いてください…。

すみません、大丈夫です、すみません…」

何事かと言うように店員が駆け寄ってきたので小夜子は首を横に振りながら店員に対応して、怒り心頭の澄香をなだめた。

「あの、食事をしましょう？

昼休みももうすぐ終わっちゃいますし…」

そう言った小夜子に、澄香は仕方がないと言うようにラーメンをすすり始めた。

ようやく落ち着いた彼女に小夜子はホッと胸をなで下ろすと、一緒になって残りのラーメンをすすった。