【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
「それでどうしたの?」

小夜子が聞いたら、
「再来週の土曜日にN海岸で花火大会が開催されるんだけど、小夜子ちゃんがよかったら一緒に行かない?」

綾美が聞き返してきた。

「花火大会?

いいね、行こう行こう」

小夜子は首を縦に振ってうなずいた。

こうして自分を花火大会に誘ってきたと言うことは、一緒に行ってくれる友達がいなかったようだ。

「よかったー」

ホッとしたように言う綾美だが、小夜子は悲しかった。

レンタルの友達ではなく、本当の友達がいないのだろうか?

「それで明日、新しい水着を買いに行きたいんだけど」

「うん、いいよ。

何時くらいにする?」

綾美の友達らしくやりとりをしているが、小夜子は虚しくて仕方がなかった。

仕事とは言え、あまりにも悲し過ぎるやりとりだ。
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