【新】レンタルフレンド~お友達をお貸しします~
その瞬間、綾美は石にされたかのようにその場に固まった。

「綾美ちゃん?」

小夜子は訳がわからなかった。

誰かが綾美に駆け寄ってきて、彼女の顔を覗き込んだ。

「やっぱり、綾美だー」

綾美と同い年くらいだろうか?

高い位置で髪の毛をポニーテールにしている女の子が嬉しそうに声をかけてきた。

「綾美、久しぶり!

中学の卒業式以来だよね?」

女の子が話しかけているが、綾美はそれに答えようとしなかった。

自分の気のせいだろうか?

カバンを持っている綾美の手が震えていた。

女の子に怯えているのだろうか?

でも、どうして彼女に怯える必要があるのだろうか?

フレンドリーに話しかけている彼女に対して、綾美は返事をしない。
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