偽りの副会長に恋をした
「ねぇ、梓。早く体育館に行かないと、入学式始まらない…?」

「え!?」

美沙に言われて、腕時計を確認する。入学式が始まるまで残り10分程しかなかった。

ってこれ!?入学式で遅刻は、さすがにヤバいって!!

「ちょっと美沙!?急がないと、このままじゃ遅刻しちゃうよ!?」

「え!じゃあ、梓。お先に〜☆」

こう言い残し、美沙は私を置いて、生徒玄関の方へ走りさっていく。

美沙は運動得意だから、足はかなり速い

ちなみに、私はそこそこ速い…と思う。

「って!ちょっ!置いて行かないでよ!!」

美沙の後を追いかけようと走り出した。

「え…?」

その時、勢い余ってそのまま誰かにぶつかってしまった。

「ごっごめんなさい!!怪我はないですか!?」

「痛ぇっ…」

どっどうしよ!?怪我させちゃった!?

「友達を追いかけるのに必死で…本当にごめんなさい!!」

「だっ大丈夫だよ。君は新入生かな?もうすぐ入学式が始まっちゃうから、急いだ方がいいよ?人にぶつからない程度にね?」

その人は、優しく微笑んで私に注意をする。

かなり思いっきりぶつかっちゃったけど…見た感じ、大きな怪我はしてないようで安心した。

「次からは、気をつけてね」

その人は、腕に『生徒会』と書かれた腕章をしていた。

この人、生徒会の人なのかぁ…
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