偽りの副会長に恋をした
生徒会室前に着いた。生徒会室は明かりがついている。私は扉の前で、一呼吸してから扉を叩いた。

「…はい」

中から聞こえたのは、女性の声。私は戸惑いつつも、扉を開けた。そこにいたのは、とっても綺麗な人だった。

「しっ失礼します。立花先輩はいらっしゃいますか?」

「立花君?立花君なら、先生に呼ばれて職員室に行ったわよ?何か用事かしら?」

「えぇ…そんな所です。いつ戻られるか分かりますか?」

「さぁ…?それは分からないわねぇ」

「そうですか…」

先輩はいなかった…あぁ、これは勘弁して放課後にこないとダメなようだな…

「…ねぇ、貴女は立花君に何の用だったの?」

「え…?放課後に、生徒会室に来るよう言われてたのを断りたくて…」

そういうと、目の前にいる綺麗な人がクスクスと笑いだした。

私って変なこと言ったの!!?

「ふふっ、急に笑ってごめんなさい。ねぇ、まだ昼休みの時間あるから、ちょっとここでお茶していかない?貴女とお話ししてみたいの、いいかしら?」

「えっ!?えぇ…分かりました」

「良かったわ!私、この学校の生徒会長をさせて頂いています『延崎稀利(のぶさき きり)って言います。どうぞよろしく」












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