偽りの副会長に恋をした
その頃…
【龍樹side】

「間もなく、入学式が始まります。新入生の皆さんは体育館へ移動へして下さい」

皆さん、はじめまして

僕の名前は「立花 龍樹(たちばな りゅうき)」

今日は入学式があり、副生徒会長でもある僕は、朝から大忙しだった。

「保護者の方は、生徒玄関先にいる生徒へ行って下さい。名簿にチェックをお願いします!」

入学式の始まる時間も近くなり、そろそろ体育館へ移動しようとした時だった。

「え…?」

後ろから女の人の声が聞こえた。振り向こうとしたが、間に合わなかった。

そのまま、誰かとぶつかったってしまった。

「ごっごめんなさい!!怪我はないですか!?」

「痛ぇっ…」

かなり勢いがあったみたいだ。

割と痛い…

「友達を追いかけるのに必死で…本当にごめんなさい!!」

「だっ大丈夫だよ。君は新入生かな?もうすぐ入学式が始まっちゃうから、急いだ方がいいよ?人にぶつからない程度にね?」

優しく微笑みながら、そう言った。

大体の女子には、この笑顔で好印象を与えられる。

「次からは、気をつけてね」

「はい。すみませんでした」

その子は、表情一つ変えずに謝罪して走って行った。

あれ…?もしかしてダメだった!?

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