偽りの副会長に恋をした
「へぇ…珍しいな。お前を相手に、表情一つ変えない女子は初めて見たぞ?」
「せっ先輩!?」
話しかけてきたのは、男子バスケ部部長の吉城華鶴(よしき かず)先輩だった。
俺が心を許している数少ない人だ。
「たっ…たまたまですよ!次は大丈夫ですよ!!」
「お前…それだけ聞くとただのタラシだぞ?まっ!お前は他人の考えを気にしすぎなんだって!!まぁ、昔よりはマシになったがな?」
「…僕もそう思います」
僕は昔
些細なことから、他人を信用できなくなり両親でさえ常に疑っている日々だ。
だから僕は、他人に好かれるよう努力してきたんだ。
勉学…武道…あらゆる面で頑張ってきた。
なのに…さっきの子は無反応だった。悔しいというより、不安が募るばかりだ。
「とりあえず…あんま、気にすんなよ!!それより、『生徒代表の挨拶』頑張ってな!まぁ、本来は生徒会長の仕事なんだがなぁ?あいつは今日、家の集まりがあるからしょうがないか…」
そう、本来は生徒会長の「延崎刹利(のぶさき きり)」先輩がするはずだった。
だけど、急遽家の集まりが入ってしまった。延崎先輩の家は有名な華道家なため、家の集まりに席を外すことは出来ない。
その為、僕が代役を引き受けることになったんだ。
「はい。精一杯頑張ります」
係の生徒に後処理を任せ、僕は新入生の待つ体育館へと足を運ばせたのだった。
【龍樹side】 終わり
「せっ先輩!?」
話しかけてきたのは、男子バスケ部部長の吉城華鶴(よしき かず)先輩だった。
俺が心を許している数少ない人だ。
「たっ…たまたまですよ!次は大丈夫ですよ!!」
「お前…それだけ聞くとただのタラシだぞ?まっ!お前は他人の考えを気にしすぎなんだって!!まぁ、昔よりはマシになったがな?」
「…僕もそう思います」
僕は昔
些細なことから、他人を信用できなくなり両親でさえ常に疑っている日々だ。
だから僕は、他人に好かれるよう努力してきたんだ。
勉学…武道…あらゆる面で頑張ってきた。
なのに…さっきの子は無反応だった。悔しいというより、不安が募るばかりだ。
「とりあえず…あんま、気にすんなよ!!それより、『生徒代表の挨拶』頑張ってな!まぁ、本来は生徒会長の仕事なんだがなぁ?あいつは今日、家の集まりがあるからしょうがないか…」
そう、本来は生徒会長の「延崎刹利(のぶさき きり)」先輩がするはずだった。
だけど、急遽家の集まりが入ってしまった。延崎先輩の家は有名な華道家なため、家の集まりに席を外すことは出来ない。
その為、僕が代役を引き受けることになったんだ。
「はい。精一杯頑張ります」
係の生徒に後処理を任せ、僕は新入生の待つ体育館へと足を運ばせたのだった。
【龍樹side】 終わり