片思いの相手
変化
「蓮華、飽きないねぇ…。」

『うん。』

講義中、横からなぁちゃんが呟く。

これにも即答。

「最初は葵先生の隣にいた、イケメンの篠山(しのやま)先生にコクってるってみんな思ってたよなぁ。篠山先生も勘違いしてたし。」

さぁちゃんの言葉にも即頷く。

そうそう、葵先生の微笑みを見た次の日、初めての告白したら、なぜか隣にいた篠山先生が反応したんだよね。

歩き続ける葵先生を追いかけて、もう一回伝えたら、周りのみんなが一声に。

「えーーっ!そっち~!!」って叫んできたんだよね。

いやいや、そっちもなにもこっちでしょって思ったよ。

恋するのは自由。

私は葵先生がいいんです。

「でもさぁ…葵先生って謎だよね。見た目もプライベートとかも。ちょっと噂で聞いたんだけど。」

ん?

噂?

『何?彼女がいるのっ?!』

焦った私に、なぁちゃんは冷静に、

「いや、あれにはいないっしょ。見た目冴えない上に無愛想だし、講義以外しゃべんないし。」

しゃべるもん!

ちょびっとだけど、反応してくれるもん。

質問にも答えてくれるんだから。

ちょびっとだけど。
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