永遠に覚めることのない夢【参】
「失礼致します。中等部3年A組咲佐納旭子です。」

戸をノックして、「はい」と言われると、入室した。

「あら、旭子さんね。珍しいわ。常磐さんはよくいらしているわ。」

「違いますわ、先生。私ではなく、碧子さんです。」

私の後ろに隠れていた碧子が顔を覗かせると、先生は「まぁ」と言った。

「あなた、どうしたの、その瞼の腫れ。」

碧子が言うのを辛そうにしていたので、私が代わりに「お願いがありましてここに」と伝えた。
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