永遠に覚めることのない夢【参】
「ねぇ、お前。今、旭子は何処へ。」

「さぁ。存じませんわ。」

「もう、仕方が無いわねぇ。」

わたくしは邸の部屋を出ると、近くにある泉の元へ行く。

「今、咲佐納旭子は何処にいるのだ?」

すると、泉の水面に、ふわあっと何かが浮かび上がってきた。

「成程……まだこの橋までは来られてないようだな。」

「さようにございますわね。」

「旭子………どこかで………」

さっき映ったあの顔。
見覚えがあるのよね。
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