永遠に覚めることのない夢【参】
「そうね、あれは、わたくしがこの、橋姫と呼ばれるようになったころだわ。」


そう、もう1000年近く前になるかしら。

わたくしが死んでから10年近くが経ち、もうすこしで大人になるぐらいの頃かしら。

お姉様は、病で倒れたのよ。
その病名は、「恋」。

わたくしも、おかしいと思ったわ。
でも、薬師や医者の診断は、間違っていなかった。

今でも恋の病という言葉があるくらいだけどね。
お姉様はよりによって、その、恋の病を患ってしまわれたわ。
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