君と永遠を
「不老不死って信じます?」
「え? いきなりなに?」
信じるも何も、僕自身がそうだ。
「知ってました? 貴方と出会ってから十数年。私はもう四十路なんですよ」
20代半ばにしか見えない千歳ちゃんはニヤリと笑った。
「貴方があいつに捕まったことも、私が殺されたことも、助けに行ったことも。なにひとつ夢じゃありません」
「えっと、それじゃ君はもしかして…」
「不老不死の薬くらい、とっくの昔に完成してます。贋作なので本家には劣りますけれど」
持っていたお茶碗を落としそうになったけど耐えた。
……彼女もまた、永遠の命を手に入れたらしい。