セブンスガール

　瀏児は寝心地の悪さで今までより早く目が覚めたのです。

　(何時だろう？えっ！？まだ５時かよ…首も痛い…仕方ないな、一旦部屋に戻るか。)

　登校する準備もかね着替えを取りに瀏児は部屋に戻ろうとしたがその彼の目の前に現れたのは翠だった。

　「瀏児！！今までどこにいたのよ！？」
　「翠…心配してくれたの？」
　「べっ！別に心配なんかしてないわよ！ただ急に長い間姿を消したからビックリしただけよ！」
　「そうなんだ…。」
　「何よ？」
　「嫌われてるのかなって。」
　「嫌いじゃないわよ！勝手な思い過ごししないでよ！葵から私のことを聞いたんじゃないの？」
　「翠は天の邪鬼だって聞いたよ。」
　「仕方ないから私が教えてあげるからありがたく聞きなさい！」
　「よろしく頼むよ。」
　「私達セブンスガールシリーズは瀏児の選択肢一つで誰か一体が人間になれるの。」
　「残りは？」
　「その一体に取り込まれるわ。」
　「なんだよ、それ？」
　「私が知るのはそれだけ。じゃあ部屋に戻るわよ。」
　「冗談だろ…まるで俺を取り合うみたいな言い方じゃないかよ。」
　
　脱力しその場に崩れた瀏児は翠の言葉が納得できず頭の中が混乱してしまった。その反面翠は部屋に帰ってしまった。
　暫くして朝食の支度に来た母にどうしたのか聞かれたのでした。

　「瀏児？」
　「母さん、紅達が俺の選択肢次第で一人残してみんな消えるって翠が…。」
　「…。」
　「母さん？」
　「あれはハーフドールなの、人間の感情と遺伝子を持つ禁断人形よ。」
　「禁断人形？」

　瀏児は母の言葉が理解できず涙をこぼし内心その日が来ないことと彼女達を好きにならないことを決めたのでした。
　立ち上がり瀏児は部屋に戻り着替えと荷物を取りに行き浴室に向かい着替えたのでした。
　しばらくすると朝食も終え母は紅達と部屋に向かい三人を着替えさせたのです。
　玄関で待っていた瀏児は制服に包まれた彼女達にときめいてしまったが急いで頭を振ってそのときめきを忘れようとしました。
　瀏児達は自宅を出て通学路を歩いていると蓮矢と美優紀に出会ったので一緒に学校に行きました。通学中蓮矢が翠のことを瀏児に聞いたのです。

　「また、起こしたのか？もうやめとけよ。」
　「じいちゃんの想いは孫として叶えたいから……。」
　「何かお前暗いぞ？どうしたんだよ？」
　「何でもない。」
　「悩みがあるなら聞くからな。」

　瀏児の反応に違和感を感じながらも蓮矢はいつも通り賑やかな登校にしようと頑張ったのです。暫くして学校に着いた瀏児達は蓮矢と美優紀と別れ職員室に向かいました。

　「瀏児、これからどこに行くの？」
　「職員室？」
　「先生に挨拶に行くんだよ。」
　「ぼくちゃんとできるかな？」
　「大丈夫だよ。」

　職員室に向かってる最中担任の長峰先生に廊下で出会いその場で挨拶をしながら教室に向かいました。
　暫くして教室に着くと瀏児は先に教室に入り席につきました。