セブンスガール

　瀏児は紅と名乗る少女の事やこの箱の事が一斉に頭に押し寄せてきて整理が着くまで時間がかかり深夜を過ぎてから落ち着いたのでした。
　だが、彼が一番気になったのは祖父・絆がしたかったことだった。

　(たしかじいちゃんは紅達を娘って言ってたよな？でも、ばあちゃんは俺が産まれる前に他界してるから娘なんて無理だろ？何でだ？)

　瀏児は紅に核心を聞くことにしたのです。すると彼女は瀏児が驚愕することを口にしたのです。

　「私は良く解らないけどお父様は人間に魅せた人形を作ろうとしたみたいだよ。」
　「人形の人間化？」
　「私は長女じゃないからわかんない。全容は葵が知ってるはずだよ。たぶん。」
　「葵？誰それ？」

　訳が解らない瀏児が葵の事を紅に聞くと彼女は青い箱を指差したのでした。

　「赤い箱は僕、青い箱は葵(あおい)、黄色の箱は檸檬(れもん)、
ピンクの箱は桃、黒い箱は銀(しろがね)、緑の箱は翠(みどり)、水色の箱は水(みな)がそれぞれ入ってるんだよ。」
　「どれに長女が入ってるんだ？」
　「黄色だったと思う。」

　紅の頼りない返答に困ってしまった瀏児はとりあえずこのままにして日が昇る前に少しだけ寝ることにした。
　朝になり瀏児が起きようとしたら彼の横で紅が一緒に寝ていたのです。それに驚いた彼は紅を起こしたのです。
　
　「紅！起きろ！」
　「んー、おはようマスター。どうしたの？」
　「どうしたじゃないよ、何で俺のベッドで寝てるの？しかも俺の横で、ベッドなら上が空いてたろ？」
　「あはは、何で怒るの？僕はマスターと一緒にいたいだけだよ。」
　「あーもう！とりあえず俺の横で寝るのはダメ！わかった？」
　「マスターのケチ、マスターがどうしてもって言うなら解ったよ。」
　「あと俺の事はマスターじゃなくて瀏児って呼んでくれ。」
　「わかった、瀏児。」

　彼女が居ない瀏児はこそばゆい感じがしたが自分が言った手前諦めた。
　瀏児は学校に行くため着替えと鞄をもってお風呂場に行こうとすると紅に止められたのです。

　「瀏児、どこ行くの？」
　「学校に行くために着替えるんだよ。」
　「学校？それってどういうとこ？僕わかんない、だから教えて。」
　「帰ってきたら教える、早くしないと遅刻しちゃうから。」

　瀏児は急いで一階の脱衣所に行き大急ぎで着替え再び部屋に戻り鞄をもって朝食も食べずに家を飛び出したのでした。
　取り残された紅は瀏児の部屋をくまなく見ていると写真立てが置かれていました。

　(お父様…僕はどうすればいいの？教えてよ。)

　紅の心に寂しさが込み上げたのでした。