銀色の月は太陽の隣で笑う
11 キミの気持ちとホットサンド
久しぶりにパッチリと気持ちよく目が覚めたルウンは、いつになく自分の体が軽い事に気がついた。
熱っぽくて怠い感じが抜けていて、上半身を起こしてみても、ぐらりと目眩を起こす事もない。
「治った……!」
ぱあっと顔を輝かせて早速ベッドから出ようとしたルウンだが、何か重たいものが端の方に引っかかっていて布団が捲れない。
視線を向けてみると、ベッドの端にかろうじて頭を乗せた状態で眠るトーマの姿があった。
椅子に座って眠っている途中で滑り落ちたのか、前のめりに倒れたのかは分からないが、何とも言えない体制でベッドの端に頭を預けているトーマに、ルウンは引っ張っていた布団からそっと手を離す。
今無理やり捲ってしまったら、確実にトーマの頭が床に落ちる。
そっと離した手をちょこんと膝に乗せて、ルウンは眠るトーマを見つめる。
顔はベッドに押し付けられていて見るからに苦しそうだが、トーマからは安らかな寝息が聞こえていた。
しばらくジーッとその姿を見つめていたルウンは、徐ろに手を伸ばして、ちょこんとトーマの頭に触れる。