銀色の月は太陽の隣で笑う
パッチリと目を開けたルウンは、今自分がどこでどういう状況になっているのか理解できずにしばらく瞬きを繰り返す。
もぞもぞと体を動かしてみれば、体をすっぽりと包む柔らかい感触があって、やがて自分はベッドの上で布団にくるまれていた事に気がついた。
ギュッと縮こめていた手足をゆっくりと伸ばしていくと、長時間曲げっぱなしだった関節が悲鳴を上げる。それでもグッと体を伸ばして、上に伸ばした手で布団を掴んで顎の下まで引き下げる。
顔を出してみても、そこは布団の中と変わらない暗闇に包まれていた。
首を巡らせて窓の向こうを見れば、すっかりと夜の帳が下りている。
どうやら、お昼ご飯もお茶の時間も、ルウンはすっぽかして寝てしまったらしい。
夕飯にはまだ間に合うだろうか……でも、さほどお腹は空いていない。
暗さに目が慣れるまでしばらくジッとしていて、ようやく薄ぼんやりと周りが見えるようになってきた頃に、ルウンは起き上がってベッドから下りる。
寝室と隣の部屋とを仕切っている壁に手をついてそっと隣を窺ってみると、そこもまたしんとした暗闇に沈んでいた。