It's so hopeless
「――ねぇ…ソラ」
一通り話を終え、二人して茜色に染まり始めた夕空を眺めていた時のこと。
「ん?」
茜色の白の箱庭。
哀愁漂う茜色の庭は、昼間とは違った顔を見せる。
白いロイの髪も茜色。
きっと私の金髪も茜色。
「ソラ……。明日も来てくれる?」
ロイの消え入りそうな声。
白く儚い目の前の少年は鳥籠の中から、私のことを見えない瞳で見ていた。
わかるよ。
独りきりの孤独が。
ずっと繋がれて、自由などなくて…。
また夜になれば独りきり。
毎晩暗闇の箱庭で一人、得体の知れない恐怖に怯えている。
「うん、もちろん」
私が言うと、ロイは少しだけ笑った。
私が去る時、ロイはいつも寂しげに表情を曇らせる。
夜、私がいない時、ロイがどんな思いをしているか私にはとても想像がつかない。
私が夜も一緒にいると言うと、ロイはいつも真剣な面持ちでそれを拒むので、私が知る由もないのだから。