It's so hopeless
「いつもロイはそう言うでしょ?
たまには私を頼ってよ。
辛いの一人で心にしまい込まないで…」
私はロイに、お土産の星屑を一つ握らせた。
「何…これ?」
ロイはびくびくしつつ、手のひらでそれを転がしている。
ひんやり固く、菱形に似たような形。
ロイの手の中で微かに光を発していた。
「これ……星屑は誰かの叶わなかった夢の欠片って言われてるんだよ。
半透明の小さな欠片でね、微かに光るんだ。
よく皆が御守りにって拾っていくんだよ」
私が説明すると、ロイは大切そうに星屑を抱き締めた。
「ソラありがとう…。
君と出会えて僕は幸せだ。
いつもソラの話を聞いてばかりだから…、たまには僕のことを話すよ―――」
ロイが自身のことを話すのは初めてだ。
「え…
ロイあんなに嫌がってたのにいいの?―――」
私が問うと、ロイは“いいんだ。ソラにだけ話す”と笑った。
今気が付いた…。ロイは笑うと笑窪ができる。
今のロイの白い肌は触れただけで消えてしまいそうなくらい儚く見えた。