It's so hopeless
「何で僕はこんな場所に独り、閉じ込められているんだろうって疑問だった。
なんというのか……遥か昔から此処でこうしていたような気もする。
何回季節が変わったのか、数えることもいつしか止めてしまった…」
ロイは自らの腕を握り締め、唇を噛んだ。
痛々しい赤く血に染まる包帯。
辛い日々を思い返しているのか、握る手にきつく力が込もっている。
「ロイ…」
私の呟きはロイに聞こえただろうか。
ロイはそっと握り締めていた包帯だらけの腕を解放した。
血がまたでてきたのか、更に赤が広がっていた。
“大丈夫?痛いでしょ…”
私が言うと、ロイは弱々しく“大丈夫”と笑うだけだった。
儚く白い少年ロイ。
君のために、私が鍵を見つけてあげる…。
私は再びロイの話に耳を傾けた。
「僕はいつだって独りだった。ソラ、君が此処へ迷い込むあの日まで…」
回想。
遡ること1ヶ月程前のこと。
私とロイはこの場所で出会った。