It's so hopeless
黒みを帯びた茶色が世界を彩る。
木々の間を縫うように優しい木漏れ日が心地よい。
此処はセピア色の森。
寂しくて、どこか懐かしい。
私は此処でよく時間を潰す…。これといってやることもないのだが、暇になると何故か此処に足を運んでしまう。
「今日はテトラいないなぁ」
此処に暮らす友達のテトラは今日は不在のようだ。
テトラが不在など珍しい。
「ちぇー。今日は一人か…。何しよう」
仕方なく一人で森をぶらぶらすることに決めた私。
神様の暇潰しか、この日は何故か普段行かない区域に足を踏み入れてしまった。
知らず知らずの内に。
昼間なのに何故か薄暗いのでおかしいと思い、私は周りを確認する…。
「あれ…?こんな場所知らない」
間抜けな私はここで初めてその事実に気が付いた。
「あぁ……もう最悪だ。この辺りは来たことないよ」
下手に動き回るわけにもいかない。
この世界は幾つもの小さな地域が、“光の道筋”によって繋がっている。
光の道筋は各地域の至る所に有るため、光の道筋の存在に気が付かないまま他の地域に飛ばされることも多々ある。