It's so hopeless



「なんだろう…此処」



私はこの場の雰囲気の異様さに言葉を忘れた。





白い景色。
純白とは違うが、程よく燃費が入ったような白。




白い景色を彩る赤は美しい薔薇。


石畳の道の脇に綺麗に咲き誇る。





「歌声、聞こえなくなっちゃった…」



私は少し残念だった。
折角歌声を追い掛けてきたのに…。




歌声に導かれるように歩いていたら、光の道筋に入ってしまい、気が付けば知らない庭。






「少し探検するかっ」




行き当たりばったりなタイプの私は、折角なので庭を調べ歩くことにした。  




石畳の道は一本道。
道順に従いまっすぐ歩む。


所々、薔薇の絡み付いたアーチがある。
薔薇の朿に気を付けながら潜った。







少し進むと、水の音が聞こえてきた。



噴水だ。







白い噴水。


架空の生き物をかたどった彫刻の口から水が流れている。



小規模だが、風流。
私は暫く噴水の縁に座り、水の流れに耳を傾けていた。





まだ時間は早い。


開いた懐中時計はまだお昼を指している。





「まだまだ時間はあることだし…此処を満喫しようかな」





寂しさからか、独り言の多くなった私はまた立ち上がり歩きだす。




籠のクッキー。

そろそろ食べようかな…。

段々小腹が空いてきた。
< 23 / 77 >

この作品をシェア

pagetop