It's so hopeless
白い景色はどことなく淋しくて、私は不安になってくる。
庭の至る所にある白い石像。
怪物のような生き物の姿をしていて不気味だった。
まるで私を監視しているかのように石畳の道のある方向を向いているため、居心地が悪い。
“白い箱庭
抜け出せない牢獄
籠の鳥に自由は許されない
存在こそが罪”
歌声。
先程より近い所から。
私はまた、誘われる。
幾つもの薔薇のアーチを潜り、崩壊しかけた柱を横目に、私は急いだ。
急がないと、歌声が止んでしまう。
これが最後のチャンスだと思った。
“鳥は何も知らない
自分の運命でさえ
だから鳥は歌う
滅びの歌を”
白い広場。
白いベンチのそのまた向こう。
白い鳥籠に“彼”はいた。
歌声の主…。
走り終えたばかりでまだ激しい動悸を無理に鎮めて、私はゆっくりと鳥籠に近づいていった。