It's so hopeless




私もロイを習い、宝探しを始めた。


暗いので、あまり捗らない作業。



それでも私たちは楽しかった。

他愛もない会話も弾み、沈黙を知らない。




そんな中、ロイがついに目的の物を見つけた。




「――あぁ、これだっ。ソラのお陰だね」



ロイは茶色い革紐を手に私に礼を言う。




「なんだかロイすごい嬉しそうだね」



私が指摘すると、ロイは“今日は特別だから”と照れた。






「―――で、その紐で何するの?」



私の問いに、ロイは秘密めいた笑みを浮かべた。



「まだ秘密にしておく。今ちょっと作るから待ってて」




そう言い残してロイはまた鳥籠の奥へ消えた。






残された私は、一人空を見上げた。



星一つない、闇の空。



どうして白い箱庭の夜はこんなに暗いのだろう。




夜の星屑の泉の幻想的な星空とは大違い。


ただ暗く、寂しく。
光のない世界になってしまう此処の夜。



ロイが私を夜が訪れる前に帰す理由はこの暗さかもしれない。
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