It's so hopeless
空。
この世界には幾つの空があるのだろう。
地域一つ一つ、全く違う空が存在していて、光の道筋によって繋ぎ止められている世界。
「ソラ、完成したよ」
物思いに耽っていた私を、現実に連れ戻したロイの声。
ロイの手から下がる星屑。
先程の革紐が星屑を上手く捉えていて、つくづくロイの手先の器用さに驚かされる。
「すごいねーっ。ロイはやっぱり器用だね」
私の誉め言葉にロイの白い頬はほのかに紅潮する。
「すごくなんかないよ。
でもありがとう。
これを鳥籠にぶら下げれば灯りみたいになるでしょ?
そしたらソラが暗くて怖い思いしなくてすむよね」
ロイはこれをやりたかったんだ。
わざわざ私のために。
「ロイ、ありがとう」
ロイは恥ずかしそうに笑うと、早速鳥籠に星屑をぶら下げる。
私とロイの間に淡い光が差しこむ。
二人だけの世界。
光の中、二人の距離がまた少し縮まった気がした。
「手、繋いでもいい?」
ロイの言葉に私は心が満たされる気分になる。
「うん。喜んで」
二人の長い夜は更けていく。