It's so hopeless
私の言葉に一瞬ロイがたじろいだ。
雪兎のように白い髪が風もないのに揺れる。
白い髪。
そういえば珍しいな…。
ロイのこの髪色。
知っている髪色は私のような金髪や、茶色系の色。あとは特殊なところで青や赤…。
白い髪など聞いたことがない。
「――世界を…。
それは僕に許されることなのかな……?」
薄明かりの下、ロイは頼りなく、か弱く見えた。
この手を離したら消えて無くなってしまいそう。
「ん?」
私が反応すると、ロイは焦ったように首を横に小さく振った。
華奢な首。
すぐに折れてしまいそう。
「…あ、いや、何でもないよ。
ソラの気持ち…すごく嬉しかった。ありがとう」
「うん…」
ロイは私に何かを隠しているんだ…。
しかし、残念ながら私にそれを問い詰めるような勇気はない。
いつか話してくれるまで待とう。
いつになっても構わない。
ロイが“何か”から解放……解き放たれたら。