It's so hopeless
寄せては返す…。
波間に浮かんだ思いの欠片。
私は夕焼けに染まる、白い砂浜に辿り着いた。
手に掬えばさらさらと、滑らかに零れ落ちる星の砂。
漂う浜辺の香りに酔いながら椰子の木の下に腰掛け、水平線に沈もうとする夕陽を眺める。
ロイにこの景色を見せてあげたい。
風のない海辺。
「ソラ…?」
唄うような声。
この浜辺に暮らす友人が私の姿を見つけたようだ。
「キーア。久々だね」
振り返った私の瞳に映った少女キーア。
焦げ茶色の髪を肩まで緩やかに伸ばし、翡翠色の瞳が美しい。
こんがり焼けた肌、髪に飾った白い花と、身に纏う白い簡素なワンピースが南国的。
「ふふふ。
ソラが来てくれて嬉しい。
今日は何しに来たの?」
茜色の笑みを浮かべキーアは私のもとへと駆けてきた。
裸足で白い砂浜に足跡を付けながら…。
星の砂。
いつからそう呼ばれるようになったのか…。
珊瑚の破片。
誰かの思いの欠片。
白い砂浜と青い海。
白い砂浜と夕焼けの海。
色彩の魔法。
代わる代わる違った顔を見せる海を綺麗に彩る。