It's so hopeless
「今日はね…。
友達の鍵の手掛かりを探しに来たの」
私が言うと、キーアは目を丸くしてずいと近づいてきた。
「友達…鍵無くしちゃったの?
大変じゃないっ。
私でよければ力になるから」
ぎゅっと拳を握り締めるキーア。
自分のことよりも、他人のことが優先。
困っている人がいたら、助けなきゃ気が済まない性分の人…。
そんなキーアが凄くありがたい。
今更ながら、“夕凪の海岸”に来てよかったと思える。
細波…。
小さく飛沫を上げて踊る。
「―――それでね、さっき“悠久の時計塔”に行って来たんだ。
ゼロに手伝ってもらって資料を探したり何だりしたんだけど…核心に近付くことができなかった」
私の話をキーアは真剣に聞いてくれていた。
一通り、私が話し終えるとキーアは遥か水平線を眺めて瞳を閉じた。
長い睫毛…。
キーアは祈っているんだ。私のために、ロイのために。
ゆっくりと瞼を上げたキーアは強い瞳で私を見据えた。
「――大丈夫。きっと鍵は見つかるよ。
この海はどんな思いも聞き届けてくれるから…大丈夫」
私はキーアの温かい言葉に涙が溢れそうになる。