好きになってもいいですか?
「こんにちはー!」

まだあれは、暑い夏の日だった。

「あっつい!
先生、あっつい!!」

今いる場所は塾で、
先生は塾長なんかじゃなく
バイトしてる人だから、
先生に言っても変わらないことはわかってた。

「暑いね、
あー、死にそ。」

もう、この人はいつも死にそうって平気で言うんだから。


先生と出会ってまだ半年。

初めての塾は、知らないことばかりだった。


思い返せば、出会ったことも”運命”で、
”偶然”なんかじゃない。。って、
私は信じてる。


湖泉 莉紗。

それが私の名前で、

泉谷 貴久。

それが先生の名前。

「なんか似てるね」って、
いつも先生は笑ってくれるよね。

「うん、私もそう思いたい。」

中学二年生の私には、
全部が冒険みたいに、ワクワクしてたよ。

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