溺愛なんて聞いてない!
再会なんて聞いてないっ!

『一花ちゃん、ずっと僕と一緒にいようね』

『うん!こうちゃん大好き!』


まだ幼かったあの頃、穢れのない純真な言葉を素直に口に出せていた。
あの真っ直ぐな気持ちを、何処に忘れてきたのだろう。

奏の言葉が、気持ちが、私には何も見えなくなってしまった。

だから、私は逃げたんだ。




大好きな、煌から。








私の人生に、生活に、夢の中までいつでも煌がいた。

幼なかったあの頃が嘘みたいに煌と私の関係も変わり、なのにそこから離れられない事に悲しんで、苦しんで、私は逃げ出したのに。

今目の前にいる煌は、一体誰なんだろう。
お願いっ、誰か教えて下さいっっ!!!



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