溺愛なんて聞いてない!
同棲なんて聞いてないっ!
あれから半月。
自宅アパートはそのままに、身の回りの物を煌のマンションへと移動させ住み込みの家政婦として生活するようになった。
あの雛ママの謝罪の意味。
こうなることを予測しなかった訳じゃない。
煌に捕まったあの時点で頭の何処かで理解もしていた。
だけど……だけど、逃げれるもんなら逃げたかったさ!
『一花ちゃん?本当ごめんねーだけどもうおばちゃんも限界で……』
『は?限界?雛ママ?どうしたの?』
『だって、煩いんだもん煌。一花ちゃんが煌の舌を超えさせたせいで何作ってもあの子“不味い”しか言わないのよー』
『えっと……ごめん?』
『うううん、いいの。これから助かったわーやっとゆっくり出来る』
『それとこれとは別!!』
『ほっといたら一週間でそこ汚部屋よ?』
『……………………』
『宜しくね、一花ちゃん!』
味方だと思っていた雛子ママ。
あっさりと裏切られた理由は、煌が面倒くさいから。
貴女の息子です……。