溺愛なんて聞いてない!
手元のビールが無くなって、たまには違うものを頼んでみようとメニューを取り、“果実酒”に目をやった。
私がメニューを眺めるその横で佐々木はまだ釈然としないのか、一人眉間の皺を更に深くさせビールを煽る。
「ね、何か頼む?」
「あ?……いやまだいい」
そういう佐々木の手元にはまだ少しだけビールが残っていて、まぁいいかと梅酒を飲んでみることにした。
「すみません、赤兎馬の水割り」
「珍しいの頼むんだな、焼酎?」
「うううん、梅酒。何か甘いの飲みたくなった。梅酒って、初めてかも」
そう言いながら、何かが引っ掛かった。
『酒は飲むな』
煌に言われたその言葉。
私たちが離れたときは未成年だった筈なのに、なんで私はそんな事を言われたことがあったんだろう。
お酒の席で何度も思い出してきた筈なのに、初めてその事に疑問を持った。
「あのさ!」
そう佐々木が声を出したその時に、鞄から着信を知らせる音が鳴った。
佐々木にごめん、と断って携帯に出てきた表示を見て思わず凍り付いてしまった。
手の中で鳴り続ける携帯に、出ないのか?と不思議そうに聞いてくる佐々木になんて答えたらいいのか分からなかった。
煌…………。
私がメニューを眺めるその横で佐々木はまだ釈然としないのか、一人眉間の皺を更に深くさせビールを煽る。
「ね、何か頼む?」
「あ?……いやまだいい」
そういう佐々木の手元にはまだ少しだけビールが残っていて、まぁいいかと梅酒を飲んでみることにした。
「すみません、赤兎馬の水割り」
「珍しいの頼むんだな、焼酎?」
「うううん、梅酒。何か甘いの飲みたくなった。梅酒って、初めてかも」
そう言いながら、何かが引っ掛かった。
『酒は飲むな』
煌に言われたその言葉。
私たちが離れたときは未成年だった筈なのに、なんで私はそんな事を言われたことがあったんだろう。
お酒の席で何度も思い出してきた筈なのに、初めてその事に疑問を持った。
「あのさ!」
そう佐々木が声を出したその時に、鞄から着信を知らせる音が鳴った。
佐々木にごめん、と断って携帯に出てきた表示を見て思わず凍り付いてしまった。
手の中で鳴り続ける携帯に、出ないのか?と不思議そうに聞いてくる佐々木になんて答えたらいいのか分からなかった。
煌…………。