溺愛なんて聞いてない!

「よぅ二ノ宮、昨日はちゃんとネコ追いかけたか?」
「ネギ持って?二ノ宮おばちゃんのネギ?」
「なんかそれ商品名みたいだな、ウケる」
「「「二ノ宮おばちゃんのネギ!売れてます!みたいな?」」」

なんか売れそうじゃん!
うひゃひゃひゃひゃ。


みるみる熱を持っていった頬。
言い返すことも出来なかったまだ純情な私。

何よりもクラスのお友達に知られることが恥ずかしかった。

遠巻きから聞こえるクスクスと笑う声。
「やだーネギだって、」
「おばちゃんだってー」


煌ほどではないが人気もあった彼らたち。
女子の嘲笑うような声と視線、多感な時期の私には堪えられるわけもなく目尻に涙が浮かんでいった。
煌がいなくて良かった。
恥ずかしくて聞かれたくない。


机に俯いてじっと堪えるしかなかった私はなんて幼かったのだろう。今なら倍にして返してやれるのに。


周りの笑い声に調子に乗った彼らは更に私を追い詰めてきた。


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